本県におけるキウイフルーツの栽培の始まりは昭和50年代で、生産過剰になった柑橘の転換作物として導入されました。その後、作付面積は急速に増加しましたが、平成に入り、市況低迷等から減少傾向に転じました。
そこで香川県農業試験場府中果樹研究所では新品種の育成に力を入れ、「香緑」「讃緑」「香粋」そして「さぬきゴールド」の開発を行いました。平成10年頃からその新品種「香緑」が認められ、「ヘイワード」からの更新が進み始めました。現在では香川県育成品種として「香緑」「讃緑」「香粋」「さぬきゴールド」「さぬきエンジェルスイート」「さぬきキウイっこ®」があります。
キウイフルーツの栽培は主に善通寺市、高松市で盛んに行われています。
香川県産キウイフルーツは、県内60%、京阪神市場20%、京浜10%、その他10%の割合で10月下旬から3月まで出荷されています。
キウイフルーツは中国が原産地のマタタビ科のつる性植物で、20世紀初めにニュージーランドに入りました。その後、1960年代に日本に本格的に輸出されるようになって広まりました。
JA香川県取扱実績(令和3年度実績)
生産量 | 249t |
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出荷者数 | 128名 |
栽培面積 | 36ha |
旬カレンダー
出回り時期最盛期
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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県内産地マップ
香緑
昭和62年に品種登録されました。一般的な品種の「ヘイワード」よりも、鮮やかな緑色の果肉で糖度が15度~17度あり、甘みと酸味のバランスが良く、濃厚な甘みのなかにあるさわやかな風味とジューシーな味わいが特徴です。
さぬきゴールド
平成17年に品種登録されました。果実は160g~200gと大玉で、果肉は黄金色。糖度は14度~17度で、酸味が少なめなのでとても甘く感じられます。ビタミンC含有量が通常のキウイフルーツの約3倍、ビタミンEが1.3倍と豊富なことからギフト用品で「栄養機能食品」表示を実施しています。
さぬきエンジェルスイート
平成25年に品種登録されました。成熟すると果肉中心の種子周辺部が天使の輪のようにリング状に色づいて、糖度は15度と高く、酸味が少なく上品な甘味があります。
香粋
平成11年に品種登録されました。一口サイズで、爪で割ってぶどうのように実を押し出して食べます。糖度は、約14度で、たんぱく質分解酵素がほとんど含まれていないため、キウイフルーツが苦手な子どもも食べられることから学校給食で人気のフルーツとなっています。
さぬきキウイっこ®
平成26年に品種登録されています。暑さや風に強いシマサルナシと食味のよいキウイフルーツを交配して育成した一口サイズのキウイフルーツです。糖度は17度~20度とヘイワードに比べて非常に高く、酸味とのバランスが良好です。たんぱく質分解酵素が少ないので、キウイフルーツ特有の刺激がありません。