野菜:いちご strawberry

香川県のいちごの約95%は地面から離れたところで栽培されています。果実が空中にぶら下がっているため、日光が均一に当たることで、色沢、大きさ、糖度、形状に優れたいちごができます。
このような栽培方法の主役は、香川県オリジナルのいちご養液システム「らくちん栽培」で、平成8年に香川大学、香川県農業試験場、JA香川県が共同で開発しました。腰をかがめず立ったまま作業ができるので、「らくちん栽培」と名付けられました。
主な産地は、高松市、丸亀市、観音寺市、さぬき市、東かがわ市、三豊市、三木町、綾川町、小豆島等です。
令和元年産の品種構成は「さぬきひめ」が約76%、「女峰」が約22%、その他約2%となっています。

【圃場全景】
果実が空中にぶら下がるため清潔で、太陽の光を全身に浴びています。

【収穫風景】
熟した果実を1果実づつ丁寧に摘み取ります。果実には極力手を触れません。

【パック詰め】
清潔な作業場と服装で品質をチェックしてパック詰めします。

【出荷形態】
全身に太陽の光を浴びた「香川のいちご」は瀬戸内の香りを運びます。

いちごはアメリカ大陸原産のバラ科の多年生草本です。栽培種が作出されたのは18世紀のことで、栽培歴史の新しい作物です。わが国へ伝わったのは江戸時代ですが、栽培が行われるようになったのは明治に入ってからです。香川県においては、大正14年、高松市栗林での露地栽培が始まりと言われています。本格的な栽培は、戦後の昭和27~28年頃からで、当時の栽培様式は露地栽培、石垣栽培でしたが、昭和35年頃からトンネル栽培、その後次第にハウス栽培へ切り替わり、現在に至っています。

本県主要栽培品種

「さぬきひめ」は香川県農業試験場において「とちおとめ」「さちのか」、「さがほのか」を素材に交配・選抜された品種で平成17年に品種登録申請し、平成21年に品種登録された香川県オリジナル品種であり、さぬき讃フルーツとして推奨されています。
※さぬきひめという名前は、「香川県=讃岐(さぬき)」で育成されたいちごのイメージと、たくさんの人にかわいがってもらいたいという思いが込められています。なお、正式な品種名は「さぬき姫」と漢字が入りますが、流通段階ではひらがなで「さぬきひめ」と表記されており、主に京阪神および県内市場を中心に出荷されています。
「女峰」は栃木県農業試験場栃木分場において「はるのか」、「ダナー」、「麗紅」を素材に交配・選抜された品種で昭和60年に品種登録されました。生産量は全国のいちご生産量の1%を下回っていますが、そのほとんどが香川県で栽培されています。鮮やかな赤色の果肉と円錐形の美しい果形をしていることから、高級果物専門店やケーキ専門店にも多く卸されており、通常のスーパー等では手に入りにくい希少品となっています。

JA香川県取扱実績(令和3年度実績)

生産量2,170t
生産者数304戸
栽培面積41ha

栄養とおいしい食べ方

いちごには「ビタミンC」や血を作るビタミンといわれている「葉酸」が豊富に含まれており、他にも、「キシリトール」「食物繊維」「カリウム」「ポリフェノール」等、健康効果、美容効果が期待できるたくさんの栄養素が含まれています。積極的に食べてみてはいかがでしょうか。
いちごはさっと水で洗うだけで、そのまま食べられます。先端(果頂部)の方が糖度が高いので、へたの方から食べると口の中に甘味が残り、最後までおいしくいただけます。

さぬきひめ

やや丸みを帯びたおむすび型で、まるまるっとした形の愛らしさが特徴で、サイズは大きめです。光沢のある果肉は柔らかな食感で、ひと口食べれば果汁が多くみずみずしい味わいです。糖度が高くさわやかな酸味があり、甘く深みのある豊かな香りが口の中に広がります。

女峰

果実は綺麗な円錐形であり、鮮やかな赤色で、カットしても中まで赤く美しい切り口をしています。甘味の中に酸味をしっかり感じられ、深みのある味わいです。生クリームとの相性は抜群で、ケーキやタルトに使うのもおすすめです。

旬カレンダー

出回り時期最盛期

1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
  

県内産地マップ

観音寺市 三豊市 丸亀市 綾川町 高松市 三木町 さぬき市 東かがわ市 土庄町 小豆島町 豊島

主な産地紹介