ヒヤリ体験 事例と対策2 article04-2

知覚・認知のミス(見落とし、見間違い、聞き違いなど)

トラクターは、特記がない場合、キャブまたはフレーム付きです。

       事例原因反省点
畦畔を草刈り中、排水路に転落した。排水路の位置を確認していなかったための事故。目印のポールを立てるなどの対策。
草刈り作業中、道端に落ちていた鉄片が飛んで、すねにあたり裂傷を負った。作業前の異物確認を省略したための事故。作業前に空き缶や石を除去する。

判断決定のミス(思いこみ、判断の狂い、意図的なルール違反など)

       事例原因反省点
トレーラーにトラクターを載せ、ダンプで牽引移動中、連結フックのピンがはずれた。長めのピンを使っていたが、道路の段差ではずれてしまった。路面凹凸でフックがはね、ピンがはずれることなど思いもしなかった。ピンを長くし、下側に抜け止ピンをさす。
乗用トラクターで傾斜地を耕うん中、旋回時に前輪が浮き上がった。等高線作業から山側旋回をした。平地と同様にロータリーを停止させなかったため、旋回操作で高く上げた。PTOを止め、作業機がわずかに浮く程度に上げて速度を落として旋回する。
果樹園で収穫中、脚立の片足が土にめり込みバランスを崩し転倒しそうになった。地面が柔らかかった。脚立を据えたら、低い段に足をかけて、めり込まないことを確認する。

動作・操作のミス(未熟な操作、動作の失敗など)

       事例原因反省点
格納庫内で作業機を取り付けるため、作業機の入れ換え・移動をくり返していた。トラクターから降りるときに足を踏みはずし転落した。60PSの比較的大きなトラクターからの乗り降りをくり返していた。急ぎすぎて、ステップを踏みはずした。作業機を個々のキャスターつきパレットに乗せ、移動を容易にする。
クローラートラクターのドアを閉めようとして、親指を挟み骨折した。ドアの下部をつかんで動かしたら、予想以上の速さでしまった。ドアノブをつかんで開閉する。面倒くさがらずに正しい操作をする。
作業機をトラクターから取り外し中、ロワーリンクからはずれなかったので、バールでこじったら急にはずれて本人側に倒れてきた。平らな地面で作業すれば、安定した。はずれにくいときは、1回持ち上げ、置き直すとはずれやすくなる。作業機の安定を確認する。

指導:石川 文武(農業博士/生物系特定産業技術研究推進機構)
農作業安全運動推進本部 編